家族でも、幼なじみでもなくて。
「りっくんはいないの?」

『……今は出かけてるわよ。私は体調が悪くて残っているけど』

「そっか……」

『優衣。私は正直、2人には幸せになってほしいって思ってるから、飛行機のチケットはとってあげる。でも、注意してほしいことがあるの』

「なに?」

『今の雅人さんにはなにを言っても聞かないと、頭に入れておきなさい。昔の優しい雅人さんじゃなくなってしまったから。そして、陸矢くんの許嫁がいるわ。アメリカについてきてしまったみたいなの。陸矢くんを溺愛しているから気をつけて』

「わかった。ありがとう、お母さん」

『チケットとれたらまた連絡するね。こっちで待っているわ』

「うん。おやすみなさい」


しばらくしてお母さんからメールが届いた。

出発は3日後。

学校にはお母さんが連絡してくれるらしい。


りっくん、びっくりするかな?
どんな顔で会えばいいかな?


許嫁ってどんな人なんだろう?


おじさんにも許嫁の人にも負けないように、頑張らないと!


愛海と太一くんに、りっくんに会いに行くというメールを送って、2人からの返事を待たずに眠りについた。
< 49 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop