家族でも、幼なじみでもなくて。

もう、なんなの!?

ただの幼なじみだと思ったら、親同士が再婚して、お母さんは実子の私よりもりっくんを可愛がって、おじさんはお母さんにべったりで……
あの家に私の居場所はなかった。

嫌いじゃなかったのに。
嫌いになりたくなかったのに。

りっくんはわざわざこっちの高校に通わなくたって、家の近くに高校はいくつかあったじゃん。

りっくんのことなんて考えたくもないのに、次から次へと疑問が浮かんで嫌になる。

あーあ、気分転換にお散歩でも行こうかな。

私服に着替えて家を出ると、ドアの前にりっくんがいた。


「な、なに!?」

「優衣ちゃん、どこに行くの?」

「関係ないでしょ!? っていうか、なんで私の部屋番号知ってるのよ!?」

「僕の部屋、隣だから」

「今すぐ帰って」

「お腹すいたよ〜。ごはーん」

「一人暮らしなら自炊しなよ。私には関係ない」


不満そうにしているりっくんを無視して私は家を出た。
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