家族でも、幼なじみでもなくて。
『ピンポーン』

「優衣さんのお部屋ですか?」

「はい」


ドアを開けると綺麗な女の人が立っていた。


「本日担当させていただきます、堀川 美咲です。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


今日のパーティーのためにドレスとメイクを担当してくれる 堀川さんは私の高校の卒業生だと、お母さんから聞いた。

服飾系の専門学校を卒業後、アメリカに留学。今はこっちの学校に通いつつ、学校が経営するブランドの幹部も務めているらしい。


「優衣さんはこのドレスが似合うと思うのですが…いかがですか?」

「とても素敵です!」


エメラルドグリーンのドレス。
ふんわりとした形ですごく可愛い。
堀川さんがデザインしたドレスなんだって!


「では早速、着替えていきましょうか」


初めて着るドレスは不思議な感じ。

ドレスに合わせたヘアセットとメイクは別人みたい。
鏡に映っているのは本当に自分?


「できました!」

「ありがとうございます」

「お母様から聞きましたよ。大切な人にお会いするそうですね」

「あ、はい…」

「今の優衣さんはいつも以上に可愛いです。自信を持ってくださいね!」

「ありがとうございました!」

「お直しをしたい、などありましたらお声かけください。スタッフとして参加していますので…」

「わかりました」


堀川さんが帰ってすぐにお母さんが迎えに来た。
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