家族でも、幼なじみでもなくて。
あんなにひどいことを言っても、私のことをずっと好きでいてくれたりっくん。
私は幸せ者だ。

神様、今からでも遅くないですか?


「優衣ちゃん。あの日からずっと大好きです。僕と、付き合ってください」

「はい」


とびっきりの笑顔で返事をすると、
りっくんは「笑ってくれた!」と嬉しそうに私を抱きしめた。


「ずっと好きでいてくれてありがとう」

「好きになってくれてありがとう! 優衣ちゃん!」


はじめて好きになって、はじめてキスをして、結婚しようって、約束した人。

空白の時間もあったけど、それはこれから埋めていけばいい。


ゆっくりと顔を近づけて静かに目を閉じる。

本当に嬉しい。すごく、幸せだ。


夜に溶けてしまうくらい甘い口づけをした。
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