家族でも、幼なじみでもなくて。
家に着いて着替えた後、りっくんといろいろな話をした。


「あ、そういえば、これ…」

「僕が優衣ちゃんにあげた指輪!」

「実は、ずっと大切にしまってたんだ」

「……嬉しい!」


こんなにきらきらした笑顔、見たことない。
それくらい嬉しいって思ってくれたんだ。

私まで嬉しくなる。


「優衣ちゃん。明日、一緒にお買い物行かない?」

「行きたい!」

「2人だけじゃ危ないから、父さんたちにお願いしてみる」

「うん! 話題のアイスクリーム屋さんに行きたいな」

「いいね! 行こう」


明日が楽しみだな。
愛海と太一くんのお土産も買おうっと。


「そろそろ、部屋に戻るね」

「待って、優衣ちゃん」


呼び止められて振り返ると、やさしく抱きしめられた。


「りっくん?」

「本当に、いいの?」

「え?」

「僕の、彼女になってくれるの?」

「うん」

「疑う気はないんだけど、まだ信じられなくて…ごめん」

「そう、だよね…あんなに嫌いって言ってたのに、急に好きって言っても信じられないよね」


当たり前のことだ。
100人いたら100人全員が疑うと思う。


「そういう意味じゃなくて…」

「いいよ、疑って。それが普通だと思うから。でも1つだけ言えるのは、本気じゃなかったらアメリカまで来ないよ」


私の言葉に抱きしめる力が強くなった。


「うん。優衣ちゃんがこういう人だって知ってた。疑うわけないよ」

「ちょっとだけ疑ってたくせに!」

「疑ってない!」


正直、どっちだっていい。
こうしてまたりっくんと笑いあえるだけで、幸せだから。


「明日からもよろしくね、優衣ちゃん」

「こちらこそ。おやすみ、りっくん」

「おやすみなさい」


今日はいい夢が見れそうだ。
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