世界を旅する武芸少女
遥は色黒のおじさんに連れられて井戸のところまで来た。

「こんな砂漠の町に井戸があるのか。」

「ああ、この辺りの町でも沢山の水が取れる美味しい井戸水だ。だが、他の町は水が少なく、隣の町の輩がこの井戸水を狙っていてな。」

「この井戸水を守るのを手伝えってことか?」

「話が早くて助かる。そうだよ、隣町の輩・・・というか完全に武装集団なんだけどね、そいつらを退治して貰いたい。」

遥は井戸の水をグビッと一杯飲み笑顔を見せる。

「分かった。命を助けてもらった恩とこの井戸水の分頑張らせてもらう。」

「良かった!助かるよ遥ちゃん!」

色黒のおじさんことシノケンは嬉しさのあまり遥に抱き付く。

「実はこの町の男連中はヘタレばかりで困っていたんだよ〜!!しかし遥ちゃんのお陰でなんとかなりそうだ!」

「こ、コラ・・・!抱きつくな馬鹿者!って・・・どこを触るのだ・・・!その首、切り落とすぞ!」

顔を赤くして怒る遥に少しビビって手を離すシノケン。

「ご、ごめんよ・・・!でも遥ちゃんって抱きついた感じだとかなり鍛えてるっぽいね」

「当たり前だ。武芸を極めるのなら当然だ!」
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