世界を旅する武芸少女

敵は騎馬で町に入ってきた。一直線に井戸のある方へ走っていく様子を見ると井戸の場所を知っているのであろう。

数は30人でみんな大剣を背負った大柄な男ばかりだ。

やがて敵が射程範囲に入るとシノケンが「今だー！射てぇ！」と大声で言う。

弓矢は大柄な男たちには当たりはしなかったが、馬が驚き進軍は一旦止まった。

そこへシノケンが行く・・・その前である。

「私が30人全てを倒して見せよう。」

シノケンが持っていたショボいナイフを奪い取り、遥は敵の喉へナイフを投げる。

「グエッ！」

大きな声でもなく、小さくもない声をあげて敵は絶命する。

敵の集団はこんな簡単に味方が死ぬとは思わず一瞬凍り付いた。

遥は凍り付いたその瞬間を見逃さなかった。

走って敵の懐まで行くと腰に持っていた刀・・・というより短い刀、脇差しで敵の体を真っ二つにする。

「またやられたぞ！みんな！その小娘をぶち殺せぇ！！」

その声を契機に敵が一気に襲い掛かる。

すると遥は背中に掛けておいた鉄砲で敵の喉元を狙う。

ドーンという轟音が鳴り響きながら、敵は吹っ飛ぶ。

そして、更にドーンという音を出した。次は遠くの敵の頭を吹っ飛ばした。

敵は次々と遥の鉄砲によって頭を吹っ飛ばされていく。

だが、弾切れを起こしたみたいだ。遥は何発打ったのか計算していた。この手の鉄砲は６発装填が基本である。

それを見ていた敵はこれをチャンスと見て一斉に襲い掛かる。

「くたばれ小娘ェ！貴様なんか鉄砲がなけりゃただのガキじゃあい！」

ズバッ！と綺麗な音がした。それと同時に敵の首が一気に３つ落ちていた。

「お前たち弱すぎるな。小娘である私に全く攻撃出来ていないぞ？」

遥は得意気な顔をして笑う。

「クッ！貴様みたいな猛者がいるとは思わなかった！帰ってブラッグス様に報告だ！」

逃げようとする敵に遥は言う。

「おい、まだ沢山残っているのに逃げるのか？お前たちつまらないぞ。」

「安心しろ。ブラッグス様が自ら貴様らに引導を渡してくれるはずだから。俺達『セブンスター』に逆らったらどうなるか教えてやる！はっはーはは！」

雑魚敵は大声で笑いながら去っていった。