世界を旅する武芸少女
「噂で聞いてたけど、やっぱアンタ強いねぇ!今まで戦ってきた猛者より別格・・・格が違いすぎるよ。」

「ふん、急に私を褒めて何を企んでる?私より強い奴はこの世界にいくらでもいるだろう。お前も相当強いしな。」

もともと自分の武がどれだけ世界に通じるのか、そして色んな強者と戦いたいと思っていた遥からすると自分の実力なんて世界から見たら大したことないだろうと思っている。

「いんや、アンタは強ぇよ。まず殺気がヤバいしな。その歳でどう鍛練をすればそこまで強者の匂いを発する事が出来るのか気になるところだねぇ。」

「知らんな。ただ修羅場を潜った回数が他の人間と桁違いなだけだ。」

咄嗟に遥は敵を一刀両断、真っ二つに斬り殺すつもりで刀を振り下ろした。

・・・がっ!その瞬間に変な手応えがした。それは相手を真っ二つに斬った感覚・・・手応えでは無くて、もっと違う変な違和感であった。

「斬ったと思ったかい?残念だなぁ、俺は無手なんだからこれくらいの事は普通に出来なきゃここまで生きてこれなかったよ。」

観客達の目の前で起きたの一瞬の防御であった。『真剣白刃取り』という実行不可能に近い極めて危険な技である。

両手のひらで合わせるようにして受け止める困難な技・・・これは拳法の達人の域でも出来ない技である。

「なっ・・・!?真剣白刃取りっ!?」

この真剣白刃取りによって下手すると遥の刀は敵に取られるかもしれない状態になった。
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