クールな彼の甘い素顔
だけど、“好き”ってことは言えなかった。
もう、バレバレかもしれないけど...、
“好き”を言葉にするのは、まだ自分のなかでストップがかかってしまった。
それと同時に、
自分がどれだけ恥ずかしいことを言ったのか我に返った。
こんな至近距離でペラペラと......
穴があったら入りたい...!!
まちがいなく引かれた...!!
「い...っ今の全部忘れて...っ!!!」
わたしはそれだけ叫んですぐさまこの場から逃げ去ろうとしたーー
「ーーきゃっ」
彼に背中を向けるのは成功して、あとは駆け出すだけだったのに、
そんなの上手くいかず糸も簡単に捕まってしまった。
彼はわたしの腕を引っ張って、自分に引き寄せたと思ったら、
そのままわたしを後ろから抱き締めた。