クールな彼の甘い素顔
二階から一階におりて、校舎から出て、体育館を通りすぎて正門へーー
これが、ふつうのルートだ。
「っえ...?」
わたしは校舎から出たところで立ち止まった。
だって、三上くんは、体育館を通りすぎないで、そのまま裏へと行ってしまったから。
三上くん...?
気になって体育館の裏側の手前までゆっくりと近づく。
そしてそっと裏側をのぞくと、
そこには三上くんと、
三年生のたしか名前は...楠原(クスハラ)先輩が立っていた。
楠原先輩は三年生の中で一番美人と噂されていて、関わったことがないわたしでも知っている。