クールな彼の甘い素顔
この場を離れようと一歩足を後ろに下げたとき。
「いないって思ってたけど...もしかして...彼女、いるの...?」
先輩のその質問に、わたしの足はピタリと止まった。
彼女......。
三上くん。
いない......よね?
三上くんーー
「...はい、います」
はっきりと聞こえてきた彼の答えに、
わたしは頭を鈍器でなぐられた気がした。
そしてすぐさまその場から走り出した。
逃げ出すように。
遠く、遠く。