クールな彼の甘い素顔
ヴーヴー
「真緒、ケータイ鳴ってるよ」
お昼休み。
サンドイッチを頬ばるわたしに、由紀は机に出しているわたしのケータイに目をやりながら言った。
「だれだろ?」
ケータイを開けた瞬間、わたしの表情は無になる。
そんなわたしを察知してか、由紀がケータイをのぞきこんできた。
“真緒ちゃーん!!明日の土曜日バイト22時まで入ってるよね??俺入ってないけど、車で迎えに行くからカラオケ行こ~!!”
「うわ。これが噂の竹本(タケモト)さん?」
「そうそう」
竹本さん。
バイトのキッチンの先輩で、たしか大学二年生。