クールな彼の甘い素顔
「あ、夏井さん!
菅西くんってついさっき帰ってたよね?」
パソコンの前にいた店長はわたしを見るなりそう尋ねたきた。
「智也くんですか?
はい、そうですよ」
彼も22時あがりだったけど、ひまだったからわたしより少しだけはやくあがったんだ。
「あー、そっかそっか」
「どうしたんですか?」
「菅西くん、ロッカーにケータイ忘れたみたいなんだよね」
店長はそう言って「これこれ」と黒いケータイ電話をわたしに見せる。
「まあでも気づいて戻ってくるか」
店長はそう言ってまたパソコンに目を向ける。