クールな彼の甘い素顔
目を覚ますと、時計の針は12時をまわっていた。
体が重いなぁ...。
そう思いながらも、あまりに喉が渇いているためキッチンの冷蔵庫に移動して、冷やされた麦茶をコップにトプトプとついで胃に流し込んだ。
お母さんは今日仕事のため朝には出たのであろう。
シン...としたこの家に一人のわたし。
お母さんとふたり暮らしだから、一人の時間があるのは日常的なはずなのに、
今は孤独感がひどく襲ってくる。
やっぱり翔くんたちにお見舞いに来てもらったほうがよかったかも...。
一瞬そう思ったけど、こんな姿のわたし、やっぱり見せられるわけがない。
洗面台で鏡を見ると、まぶたも目の下も腫れていて。
久しぶりにあんなに泣いたな...。
なんの涙なのかと言われると、名前はつけられないが、
言いようのない不安と劣等感が入り交じった涙だ。
心もこんなに真っ暗なのに、
どうしてお腹はすくのだろう。