クールな彼の甘い素顔
わたしは路地裏から表に出て、人混みをかきわけて駅に向かう。
明日はバイトで翔くんと顔をあわせる。
さすがに明日もうそなのに高熱といってバイトまで休むわけにはいかない。
明日のバイトは、わたしのほうが一時間あがるのが早いから、彼のことを待って、そこで話す...。
由紀と話し合ったことを頭のなかで整理しながら歩いていると。
「ーー真緒さん!」
後ろからポンと肩をたたかれ、
振り向くとそこに立っていたのはニコッと子犬みたいな笑顔の智也くんだった。
「智也くん」
「偶然ですね!」
「そうだね。買い物?」
わたしは彼が服屋さんの袋を2つ持っているのを見て尋ねた。