クールな彼の甘い素顔




バイト中、ミスしないように落ち着いて仕事したけれど、

それはもう11ヶ月も働いてきたから体が覚えているだけであって、

頭の中は翔くんのことでいっぱいだった。



わたしの休憩は15時から一時間だったから、出勤する翔くんとは会えなかった。



17時になりホールから見えたキッチンに入ってきた彼の姿にわたしは一人で戸惑いを隠せなかった。



ただ姿を見ただけで、胸が苦しくて、今日ちゃんと話せるのだろうか不安になった。



だけど、今日話さないと絶対ますます話しかけづらくなる。



しかも、はやく訂正しないと本当に“嘘ついて他の男と遊んだ”ことになってしまう。



そんなの絶対にいやだ。



わたしが好きなのは翔くんだけだから。



わたしは21時になり退勤し、外に出たところで彼が出てくるのを待った。



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