クールな彼の甘い素顔
「昨日はごめんなさい...!!
智也くんとは偶然会っただけなの!!
でも、高熱なんて嘘ついて、デート台無しにしてしまって本当にごめんなさい......」
もしわたしが同じことをされたら、ものすごくショックだと思う。
わたしはそれをしてしまったんだ。
少しの間のあと、
彼はゆっくりと足を止めて。
「...それはわかった。
...あとほかに、俺に言うことあるだろ」
わたしとは目を合わせず、一人言のようにそうつぶやく。
「えっと...」
きっと茅さんのことだ。
茅さんの言い方からすると、茅さんはきっと転勤場所からこっちに戻ってきて。
そして翔くんに会いにいったけど、そこでわたしの存在を知ったんだ。