クールな彼の甘い素顔
「行くところあるから、家で待っててほしい」
放課後。
わたしは彼にそれだけ言い残して、急いで教室をあとにした。
行くところ。
行かなければならないところ。
わたしには、彼と向き合う前に、やらなければならないことがある。
「ここを右に曲がって...」
ケータイのマップである場所を検索し、地図を見ながら歩いていく。
「...着いた」
翔くんの幼なじみ、茅さんが通っている女子高。
ここまで来たんだから、もう折り返すわけにはいかない。