クールな彼の甘い素顔
グラウンドに部活をしている生徒が一人もいないから、まだだれも教室を出ていないことがわかる。
でも、時間帯的にもうすぐ終わるだろう。
そして15分後、やっとポツポツと部活動生や帰宅生が校内から出てきた。
わたしはなにがなんでも彼女に会うために、
正門ではなく3年と書かれた下駄箱の前で待ち構えた。
そして10分くらい経っただろうか。
人混みの中から、ローファーに履き替えている茅さんを見つけた。
「茅さん」
わたしが近づきそう声をかけると、彼女は少し驚いた顔をしてから、「なんですか。翔とはまだ別れてないみたいだけど」なんて言ってくる。
わたしはそんなの無視して、「話があります」と裏門から出て少し歩き、ふたりきりとなった。