クールな彼の甘い素顔




「ねえ...わたしと友達になってくれる?」



駅に着いて。

茅さんは、遠慮がちにわたしにそう尋ねる。



わたしはニコッと笑って。

「もちろん!」と大きくうなずいた。



「わたしのことはすみれでいいからね!」



「すみれ、ちゃん」



「呼び捨てでいいのに!」



「なんか照れるの!」



「なにそれ~、

あ、電車来たよ!」



カンカンカンカン...



「それじゃあ、真緒、またね!」



手を大きく振ってくれるすみれちゃんに、わたしも同じように「またね!」とバイバイする。



わたしは心がすごく穏やかになった。



すみれちゃんと友達になれて、よかったな。


< 203 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop