クールな彼の甘い素顔



プニ、と人差し指で彼の右頬を押してみる。



こんなことをできるのは...きっとわたしだけ。



「......真緒?」



そのとき彼の瞳がゆっくりと開いたと思ったら...


反射的に彼の頬から指を離そうとするわたしの手をつかみ、

そのままぐいっと自分のほうへ引き寄せた。



「きゃ......っ」



視界がグラリと揺れ動いたと思ったら、

気づいたときにはベッドの上に......彼の中にいた。



「来んのおせぇよ...ばか」



ぎゅうっと全身で全身を抱き締められ、

一気に体温が上昇する。



頭上でささやかれる言葉が

耳の鼓膜を震わせ、全身の神経に伝わったみたいになる。


< 207 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop