クールな彼の甘い素顔
駐車場から少し離れ、信号で立ち止まったところで三上くんのわたしを握る手は離れてしまったけれど、
わたしの手はいつまでも熱くてまるでじんじんするほどだった。
今、いったい何が起こっているのであろう。
頭がついていかないよ。
わたしが、あの三上翔くんに家まで送ってもらっている...?
現実なのかな?
わたし、夢見てる?
夢見てる、といっても、
三上くんに送ってもらうことが夢だったわけじゃない。
ただ、あまりに現実味がないからだ。
別世界の三上くんと並んで歩いている。
三上くんと同じ世界にいるのかも、なんて気さえしてくる。
三上くんが、
こんなに優しい人だったなんて。
わたしは喜びで胸がいっぱいになった。