クールな彼の甘い素顔
「まさか、人のもの盗むとはな」
竹本さんがバックヤードに入ってきて、三上くんに好奇の目を向けた。
わたしはすぐに分かった。
絶対、竹本さんの仕業だ。
だけど、今はそんなことどうだっていい。
竹本さんが犯人だとかそうでないとか。
ただ、
「待ってくださいっ!!」
自分でも驚くほど大きな声が出た。
「三上くんがそんなことするわけありません!!
なにかの間違いです!!
大野さんも店長も...っそう思いますよね!?
三上くんがそんな姑息な真似するわけないじゃないですか!!」
頭に血が上って、まるで自分のことのように声をあらげてしまった。