クールな彼の甘い素顔
彼のお家
7月中旬。
暑い毎日が続き、今日もわたしは忙しい日曜日を送っている。
「お客様のお会計が、3980円です。
4080円お預かりします。
100円のお返しです。
ありがとうございます、またお越し下さいませ~!!」
バイトをはじめてからもうすぐで2ヶ月が経つ。
最初は毎日のように注意を受けていたけれど、
今はほとんどなにも言われなくなった。
それに、元気がよくて笑顔がいいとほめられることもあり、ますますやる気も出てくる。
もっとはやくアルバイトをはじめたらよかったな。
わたしの家は母子家庭だから、お母さんの負担を減らしたくて高校に入ったときからアルバイトがしたいと言っていた。
だけど、お母さんにしなくても大丈夫だと言われていて。
それでも二年になってからもずっと言い続けていたら、やっとお許しが出て今に至るというわけなのだ。