クールな彼の甘い素顔
大きな声を浴びせられ、ビクッとなるわたし。
「た、卵抜きってちゃんと入力したので、伝票には書いてますけど......」
伝票にはちゃんと“卵抜き”の文字がある。
そう反抗してきたわたしに腹がたったのか、
中西さんはさらに声をあらげた。
「あのねえ!アレルギーなんだから、ちゃんと口で言いなさいよ!
一言言ってくれないとこっちだって忙しいんだから!!」
そ、そんな...。
「わ、わたし...言いました...カルボナーラ卵抜きですって...そしたら中西さん了解っておっしゃったじゃないですか...」
わたしはべつに反抗したいわけではない。
だけど、理不尽に怒られるのはさすがに嫌だ。
だから勇気を振り絞ってそう言った。