クールな彼の甘い素顔
わたしたちはマンションの裏の空き地に移動した。
「お兄ちゃん!火つけて!火つけて!」
「そんな慌てんなって」
三上くんがろうそくをたてて火をつけてくれて、
そこに手持ち花火の先を伸ばす。
ジュー!と音をたてて花火が飛び出した。
「綺麗~!僕のピンク色だ~!」
「わたしはオレンジ~!」
そして三上くんのは黄色だった。
「三上くん!綺麗だねっ!」
「あぁ」
大きな花火は見れなかったけれど、
今年初の花火をここで3人でできるなんて、とっても幸せ。
三上くんってば、花火を持っても似合う。
というか、なんでも似合う。
三上くんに似合わないものとかないんじゃないか、と思えてくるほど。