クールな彼の甘い素顔
三上くんは大きな花火パックを買ってきてくれたけど、
3人でわいわい続けるとあっという間に残り少なくなって。
「お兄ちゃん、僕トイレ行きたいっ」
凌くんがそう言って、三上くんはポケットに入れていた家の鍵を凌くんに手渡した。
「すぐ戻ってくるから、僕の線香花火残しておいてねっ!!」
そして凌くんはダッシュ。
三上くんはそれを見て「走んなって」とつぶやいた。
......あれ。
ただ、凌くんがこの場にいなくなっただけなのに。
凌くんがいるのといないのとじゃ、全然ちがう。
三上くんとふたりきりで花火をしていることに、
とてつもなく緊張してきた。