クールな彼の甘い素顔
時間になり、重い足取りでファミレスに向かう。
下駄箱で靴を履き替えていると、三上くんの靴があり、彼は先に来ていることがわかった。
そしてわたしはバックヤードへの扉を開けた瞬間に、目を丸くした。
だって、
そこに立っていた三上くんの格好が、キッチンのエプロンではなくてホールの制服だったから。
「っあ、夏井さんおはよー!」
その場で突っ立っているわたしに店長が気づいて陽気にあいさつする。
「お、おはようございます」
どうして三上くんがホールの制服を着てるの...?
わたしの心の声が届いたかのように、店長はこう言った。
「今日から三上くんはホールでも働いてもらうことになったから!
夏井さん、学校も一緒みたいだし、指導係になってもらえる?」
店長の言葉にわたしは今すぐこの場から逃げ出したくなった。