恋が始まる
強く抱き締めていた腕が這って、ブラウスの中に入ってくる。


「あっ…」

「あ、恥ずかしいよな。消すわ」

突然照明が落とされて真っ暗になった。

どうして…?
混乱して腕を伸ばして先生を押しのけた。

どうして、そんなにあっさり消すの…?


私の腕の力なんて先生にとってはたかが知れてる筈なのに、あっさりと私から引き剥がされて。

その、予期してたみたいな動きにどうしようもなく悲しくなった。

「先生…」
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