終点は異世界でした。
切符を拝見致します。
小窓から差し込む優しい陽射しが、そっと朝を運んでくる。
重たい頭をぐらぐらさせながら、ゆっくりと体を起こした。
ゆっくりと目を開ければ、そこに広がるのは見慣れない景色。
ここは一体どこだろう……と考えるよりも先に、聞き覚えのある声が私の鼓膜を揺らした。
「おはよう、カンナ。よく寝れた?」
整った顔立ちの青年が私に向かって声をかけながら、近づいてくる。
こんないい男の友達なんて私にはいなかったはず。
「まだ寝ぼけてる?朝食買ってきたんだけど、一緒に食べない?」
スウッと意識が一気に覚醒していくのが分かって、勢いのまま飛び起きた。