終点は異世界でした。
そうだ、私は昨日何故か知らないけれど異世界に迷い込んで、それでもって駅員さんのアルスに助けて貰って。
宿という名の駅の中の空いてる一室をお借りして、そこで一晩過ごしたんだった。
飲んだ後だったから、ちょっとばかし足元フラフラする感じもしなくもないけれどここまでしてもらってて他に迷惑かける様なことはしちゃダメだ。
そう自分に喝を入れて、アルスにおはようと返した。
「ソファだから寝心地悪かったと思うんだけど、腰とか痛くない?大丈夫?」
「ははは、大丈夫です。雑魚寝でもなんでも横になれば快眠なのが私ですから」
そう笑って答えると、少し心配そうな表情を浮かべつつもアルスも笑った。
するとどこからかアラームの音が聞こえて、辺りを探した。
どうやらスマホはご健在のようだ。
昨日ここにたどり着いてから全く意識してなかったけど、誰かと連絡は取れるのか気になった。