終点は異世界でした。
ボサボサの頭を手櫛で直しながら、通された部屋へと入ると休憩所のような机が並べてある広い空間に、何人かの他の駅員さんの姿が見えた。
ビクビクしながらアルスの後ろにピッタリと張り付くようにしていると、クスクスとアルスが笑った。
「大丈夫。ここの皆には俺からきちんと伝えておいたから、何も怖がらなくていいよ」
そう言って椅子を引いて座るように促してくるアルスを信じて、私はそっとその椅子に座った。
すると目の前の机にお椀に盛られたシチューに似た何かと、パン二つが急に光と共に現れた。
朝から驚きを隠せないでいると、向かいにアルスが座ってびっくりした私を見てまたしても笑った。
「ごめんごめん。びっくりした?」
「あの、手品か何かですか?」
何も無い所からこんな朝ごはんが登場するなんて、誰が思いつくだろう。
想像のつかないような出来事に心臓がバクバクしてる。