終点は異世界でした。
アルスの前にも同じように光が現れたかと思えば、私と同じシチューのようなものとパンが現れた。
「多分カンナの世界では『カガク』が進歩していってて、さっきみたいな機械がわんさかあるんだろうけど、こっちでは魔法が進歩してるんだよ。今のは全部、魔法」
「ま……ほう??」
「あまり耳慣れないよね。まあ大丈夫、怖いものとかそう言うのじゃないからさ」
流石、異世界。
全く未知のものが行き交っているようだ。
驚くことが多くて、今朝は随分と目覚めがスッキリしている気がする。
美味しそうな匂いに、お腹の虫も暴れ始めた。
いただきますと両手を合わせて、シチューのようなものから一口頂く。
滑らかな舌触りが口いっぱいに広がっていった。
どうやらこの世界の食事は、日本の食文化にあっているらしい。