終点は異世界でした。



美味しく頂いていると昨日私を起こしてくれた、羊さんもやってきて声をかけてくれた。


それがきっかけで色んな人が、私とアルスを囲むようにしてやって来る。


最初は少し身構えたが、こちらの世界の人は私という異世界人に対して理解があって、すごく優しかった。


一緒に朝ごはんを摂りながら、こちらの世界のことを丁寧に教えてくれ、いつの間にか私は上手いように溶け込んでいた。



「落し物すぐ見つかるといいですね」


「何かあったら力貸すからよ、いつでもいいな!」


「皆さん本当に色々とありがとうございます……!」



この世界の人達は、こんな見知らぬ人相手にどうしてここまで人がいいのか。


普通だったら他所から来た人に対して、警戒するはずだというのに。


その優しさを受け取りながら、皆で一斉にごちそうさまでしたと声を上げた。







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