終点は異世界でした。
そこから、大きな鐘の音が三回こだますると皆は仕事に取り掛かるための準備へと向かった。
賑やかだった空間の外から、今度は忙しそうな声が響いてくる。
どこからか汽笛の音も聞こえてきて、ここが駅であることを思い出した。
あまりにもこの空間が食堂感があったけど、ここは生活空間などではなくて駅の休憩所だ。
皿を洗おうとしたけれど、その前に泡が弾けるようにお皿が消えた。
「これも魔法?」
「もちろん。さあ、俺達も行こうか」
そう言って立ち上がって、何か唱えると私の体をシャボン玉のような綺麗な膜が私を包んだ。
ふわっと香る花の匂いを肺に送り込んでいると、パチンと膜が割れた。
近くに合った壁掛けの鏡に映る自分の姿に、目を丸くした。