終点は異世界でした。
身体の熱を逃がそうと必死になるけれど、アルスに繋がれた右手を見つめる度に熱くなっていくのが分かる。
彼氏も高校生の時以来いないものだから、男の人とこんな手を繋ぐことに不慣れな私はわざと周りに視線を泳がせて意識しないようにすることしかできなかった。
アルスに連れられてたどり着いた先は、大きな噴水が吹き上げる場所だった。
噴水を囲むようにそこにも小さな露店がいくつかあった。
「流石にあそこでの買い物は大変だから。ここならのんびりとして買い物できるよ」
「えっ、あ!はい!」
「カンナ?顔赤いよ?」
そう言って顔を覗き込んで来ようとするアルスに、私は慌ててアルスを引っ張って露店へと歩き出した。