終点は異世界でした。




この世界にも私の世界と同じように戦争があって、苦しんでいる人がいる。


そうか、平和であっても裏はどこにでもちゃんとあるんだ。



「ご、ごめん……そうとは知らずに……」


「いや、いいんだ。随分と昔の話しだから」


「じゃあ……アルスは今一人なの?」



どこまで踏み込んでいいのか分からないけれど、気になってしまって思わず聞いてしまう。


そんな私を嫌がりもせずに、優しく見つめた。



「仕事仲間がいて、街の人達の笑顔がある。一人なんて感じたことないよ」


「そっか。アルスの周りはいい人でいっぱいだもんね」



私もそれは実感した紛れもない事実だ。


もしかしたら、アルスの周りは同じようなことを抱えた人達がいるのかもしれない。






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