終点は異世界でした。
だから私のような一人の人を見ると、優しくしてくれるのかもしれない。
受け入れてくれるのに時間がかからないのは、彼らにも辛い過去があったんだ。
それを今は乗り越えて、ああやって笑顔で過ごしている。
すごくかっこよくて、尊敬できることだ。
「カンナは?今は何してるの?」
「え?私?」
急にきた自分への質問に言葉が濁った。
大したことをしているわけでもなくて、自分に合っていることを探しているけれどあまりしっくりするものはなくて。
そんなことをしながら生きていたらもう大学四年生になっていて。
就活があんまり上手く行っていない、といった感じだ。
アルスみたいにしっかりしていたら、スラスラ話せるんだろうけど、あまり自分に自信がない。