終点は異世界でした。
「普通に生きてる……かなあ……」
「普通に?」
「うーん、なんて言えばいいのかな。自分の道を見つけられてないって感じ。私は今学校に通ってて……自分の今後の道を探してる途中って所かな」
「カンナなら大丈夫。ちゃんと自分の道見つけられるよ。俺が保証する」
アルスのその言葉にほんの少しだけ胸が痛かった。
こんなにしっかりしてる人にそんなに褒められるのは嬉しいけれど、道を見つけている人といない人の差を感じてしまう。
辛い思いをしてもちゃんと道を歩んでるアルスがかっこいい。
「アルスってやっぱりかっこいいよね。最初に私を手を差し伸べてくれた時から、暖かくてすごい人だなあって思ってた」
思わず思ってた感情のままに口が動いてしまった。
それでもいい、これは嘘偽りのない事実なのだから。