終点は異世界でした。
それでも繋いだ手は離さない。
そんなアルスにやっぱり安心する。
この世界に迷い込んでも、この人が絶対私を見つけて離さない、そんな気がした。
うるさく鳴り響く心臓を抑えるために、窓の外の景色を眺めた。
「落し物、見つかるといいね」
「そう……だね」
唐突に投げられたその言葉に、何故か言葉が詰まった。
「大丈夫、きっと見つかるから」
「うん」
こくりと頷いて、揺れるネックレスをチラリと見た。
そこに咲く花も私のことを応援するかのように、鮮やかに咲いている。
だけど妙に心が痛むのは……なんでなんだろう。
揺れる電車に身を預けながら、そっとアルスの肩に身体を寄せた。