終点は異世界でした。
周囲の方に迷惑のかからないよう配慮をお願いします。
路面電車を降りた先は、ゆったりと時が流れるような木々の多い場所だった。
建物が並ぶ中でも木々が生い茂って、緑を増やしていっていた。
まるで森と共存しているようなそんな光景で、神秘的な感じがした。
大通りを抜けて少し細い道を進めば、教会が見えてくる。
「アルス、あれって教会?」
「正解。でも神様じゃなくて、魔力を司る魔人のね」
そこはやっぱり私の住む世界とは違うようだ。
でも私の住む世界にも色々と宗派があるように、こちらにもきっと色々あるんだろう。
失礼のないようにしなきゃ。
背筋を伸ばして歩くと、アルスが私を見て笑った。