終点は異世界でした。
「そんなに構えなくて大丈夫だよ。教会って言っても、畏まった感じの場所じゃないからさ」
教会といえば神々しいそんなイメージがあるが、住む世界が違えば考え方も違うのだろうか。
少し気を緩めつつも教会へと足を踏み入れた。
木造の建物だというのに、中へ入れば口が勝手に開いてしまった。
どこからともなく生い茂る木々の根っこが絡みついているのは、あちこちから生えるクリスタルの結晶だった。
想像絶する光景に、思わずその場で立ち止まってしまう。
「アルス……これ、本当に中入っていいの?」
「んーちょっと不味いけど、手入れしていないシスターが悪いからいいんだよ」
そう言いながら私の手を離して、木々の根っこを掴んではクリスタルから剥がしていく。