終点は異世界でした。




アルスに引っ張られようやく出てくると、大きく伸びをしてアルスに向かってお辞儀をする。



「いや〜助かったよ〜。このまま動けなかったら飢え死にする所だった〜危ない危ない」


「定期的に魔力をコントロールしろっていつも言ってるのに……」



やれやれと哀れんだ目でシスターを見たアルスは、私に向かって手招きをした。


慌ててアルスの元へと駆け寄ると、シスターが私を見て瞳を輝かせた。



「アル〜!!人の子〜!!しかもトリプラー!!どうしたの〜」


「どうしたも、俺が手助けしてるんだよ」


「アルが手助け〜……?そんなまさか〜」


「今あんたのことを助けたのは、どこのどいつだ?」



二人のやり取りに入る隙がなくて、どうしようかと悩んでいるとシスターが私に向かって手を差し伸ばしてきた。









< 49 / 94 >

この作品をシェア

pagetop