終点は異世界でした。
アルスに引っ張られようやく出てくると、大きく伸びをしてアルスに向かってお辞儀をする。
「いや〜助かったよ〜。このまま動けなかったら飢え死にする所だった〜危ない危ない」
「定期的に魔力をコントロールしろっていつも言ってるのに……」
やれやれと哀れんだ目でシスターを見たアルスは、私に向かって手招きをした。
慌ててアルスの元へと駆け寄ると、シスターが私を見て瞳を輝かせた。
「アル〜!!人の子〜!!しかもトリプラー!!どうしたの〜」
「どうしたも、俺が手助けしてるんだよ」
「アルが手助け〜……?そんなまさか〜」
「今あんたのことを助けたのは、どこのどいつだ?」
二人のやり取りに入る隙がなくて、どうしようかと悩んでいるとシスターが私に向かって手を差し伸ばしてきた。