終点は異世界でした。



釣られるようにして私を手を伸ばすと、勢いよく私の手を掴んでブンブンと振り回すように振ってくる。



「私はここでシスターをしています〜テーラと申します〜いや〜アルがお世話になってます〜」



ニコニコ笑顔のテーラさんの勢いに負けないように、おどおどしつつも自己紹介をする。


「美澄 栞菜です。日本から来ました!」


「遠い所からはるばるありがとうございます〜」


「テーラ、トリプラーが珍しいのも分からなくはないが、カンナが可愛そうだからそれぐらいにしてくれないかな」


「あら〜ごめんなさい〜!ついね、つい〜」



ようやく離された手を今度はアルスに掴まれる。


忙しい右手は誰かに掴まれていないとダメらしい。







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