終点は異世界でした。
そもそも落し物が分かっていない以上、テーラさんに聞いても分からないものなのではないのか。
この世界の人達の中には、特殊能力で落し物が何かを分かったりする人がいるのかな。
そこら辺は後でアルスに聞いてみよう。
「ないからと言ってガッカリしないでくださいね〜。絶対この世界のどこかにはありますから」
優しく微笑みかけてくるテーラさんに、私は同じように笑みを向けた。
なんだかこの人見ると、向こうのペースに飲まれちゃうなあ……。
「ここに来た次いでですし、お清めでもしていってください〜。この世界の【思い出】の一つとして」
「お清め?」
お祓いとかそういうことしか頭に浮かばない私だけど、アルスは賛成している。
どうやらこの世界ではいとも簡単に行う何からしい。
テーラさんに進められて行き着いた場所は、薄暗いクリスタルが中央に置かれた祭壇のある広い部屋だった。