終点は異世界でした。




少し大きな道へと出たかと思えば、またしても細い路地裏のような道へと入った。


ほのかに明かりを灯す提灯に似た何かが、怪しげに揺れた。


今までと違った雰囲気のあるこの場所はどうやら、日本でいう居酒屋の通りのようなものみたい。


ふわりと香るお腹の虫を動かすいい匂いが、あちこちから漂ってくる。


一件のお店の前で立ち止まったけど、アルスは首を傾げた。



「おかしいな……今日は休みじゃないはずなのに」



どうやら店自体がお休みなのか、店内は真っ暗だ。


よくよく見れば近隣の店もポツポツと店を閉めている。


時間的に少し早いかもしれないが、活気がないようなこの感じに私も首を傾げた。









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