終点は異世界でした。
感じる視線の波をかき分けて出口の扉へと手を伸ばす。
「会計済ませるから、先に店の外に出てて。絶対、どこかへ行っちゃ駄目だからね」
そっとアルスに言われて、頷いて店の外へと出た。
いつの間にか真っ暗になっていた夜空に、目を向けながら店の外でアルスが来るのを待つ。
どこを見ても輩の悪い男達ばかりだ。
こんな素敵な街だと言うのに、なんでこんな人達が……
そんな事を考えていると私に近づく足音にアルスと声を出した、その時だった。
ーーカラン、とあの音が目の前で聞こえた。
全身に走る電流に痛みを感じるものの、声が出ない。
「悪いが大人しくして貰おうか」
知らない男の声に抵抗しようも力が入らない。
そのまま私は深い闇の中へと意識を手放してしまった。