終点は異世界でした。
幸せですごく嬉しかったり切なかったりする夢だったような気もするのに、断片的な記憶すら残っていない。
ただ驚くくらいに、自分に対して自信が漲ってくる。
心に空いていた穴みたいなのが埋まった、そんな気持ちにきゅっと胸元を握りしめた。
外に出ればタイミング良く、最終のバスが到着していた。
慌てて乗り込み、ガランとした車内を見渡し何となく1番後ろの席のど真ん中へと腰を下ろした。
帰るのは日付跨いでしまうのは見え見えだけど、また仕方ない。
窓に映る自分の顔は、いつもより晴れ晴れしている。
まあ飲んでるから頭はしゃんとしてないのだけれど。
揺れるバスに今度は寝ないぞと気合いを入れて、家へと向かった。