終点は異世界でした。



すると、生垣の隙間からこの家の方であろう綺麗なお姉さんが私の姿を見つけて外へ出てきた。


ぺこりと一つお辞儀をすると向こうも返してくれた。



「綺麗に咲いているでしょう。日本では育ちにくいから一年草なのよ」


「育てるの大変なんですね……」


「ふふふ、でもこうやって見てると癒されるから何度でも育てちゃうのよね」



お姉さんは愛でるようにそっと花を撫でて笑みを浮かべていた。


確かにこんなに綺麗な花だったら毎年見たいと思うだろう、現時点で私もこの花の虜だ。



「清く明るい人、そして幸福を振りまく人」


「え?」


「この花の花言葉よ。結婚式のブーケにも使われたりするのよ」



花嫁にはぴったりの言葉に、なるほどと一つ頷いた。




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