終点は異世界でした。
「あなたのその胸元につけているネックレスのモチーフも、デルフィニウムなんじゃないの?」
そう言われて思わずネックレスを優しく握りしめた。
自分で買った記憶はないが、気がついたら常に身につけているこのネックレスはとても大切なもの。
確かに良く見れば花の形が似ていることに気づく。
「ふふ、それをプレゼントしたお相手は素敵な方なんでしょうね」
「あははー……どうなんでしょう」
果たしてこれは一体誰に貰ったのか、それまた自分で買ったのか。
今度レシート探して自分で買ったかどうかぐらいは確かめておこう。
少しお姉さんとお喋りをしてから、その場を離れ知らない街の駅へと辿り着いた。